電子は内側の軌道へ励起する?3

力学的エネルギーの観点から、「位置エネルギーと運動エネルギーが換算可能ならば0という基準は同じであるべき」という仮定を以前にしたことがあります。しかし考えを上手く進めることができませんでした。それはおそらく位置エネルギー0という状態について誤った解釈をしていたためです。

この時は地球の重力について物体が落ちるところまで落ちたところが位置エネルギー0と仮定しました。しかし無重力空間を遊泳する物体を運動エネルギー0と仮定すると、天体に近づくと重力によって落下するので運動エネルギーと位置エネルギーが共に0となる状態にはならず矛盾してしまいます。

問題の解消は単純で、対称な位置エネルギーが相殺される条件を0とおきます。こうすれば慣性系を位置エネルギーと運動エネルギーが共に0の状態と位置づける事ができます。

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もう一つ位置エネルギーについて具体化をしておこうと思います。

例えばバネを挙げます。弛緩した状態に対し、引き伸ばした状態は位置エネルギーが大きいとされます。バネが一つなので着目される位置エネルギーも決まります。

ではバネAとバネBが対称的で釣り合っている状態はどうでしょうか?この状態でバネAが弛緩したならばバネBの位置エネルギーに着目されますが、バネBが弛緩したならばバネAの位置エネルギーが着目されます。

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ここで電子の励起を考えますと位置エネルギーはクーロンポテンシャルと(便宜的に)遠心ポテンシャルのどちらかが対応するのかについて、電子のアクションが分からないと何とも判断つかないという事になります。

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