シュテルン-ゲルラッハの実験の記事の補足

補足というか時間が経ってから自身の記事を見ると分かりずらかったのでもう少し詳しく書きますシリーズ。

シュテルン-ゲルラッハの実験の記事はこちら

2.不均一磁場装置の角度は発射段階の銀粒子スピンに対して連続的な状態を取り得る。

の記述に関して

不均一磁場に対して電子スピンが平行であると下図のような条件が存在する。
特に不均一磁場の制限を課さない場合、銀粒子および電子スピンの角度は連続的な状態を取り得る。という意味。

実験結果は銀粒子が上図左の装置から右の装置の不均一磁場へ移動するとき、連続的な磁気モーメント傾きの遷移は生じていないようであった。

この結果に寄ると、
多粒子系の観測者に対して磁気モーメント傾きの遷移は一瞬であるとすれば解決されるが、厳密な一粒子系の観測者を置けばその限りでない。(ここの一粒子系とは注目する事象の最小単位の系という意味)

解決策としてまず量子力学で見られる拡張を考慮する。

例えば慣性系を運動状態の0に対応させ、それを収束値とおく。
収束値が0と一意であっても、0となる状態は様々に記述する事ができる。
要するに工程は違っても結果は不変という条件の考慮。

以下のGIF動画は便宜上、多粒子系時間に見えるが異なる不均一磁場へ移る事象の最小時間における磁気モーメントの様子である。

GIF動画左図は不均一磁場に対して磁気モーメントが平行であり、右図は当初傾いている。
しかし、右図は不均一磁場に対して電子スピンが平行である左図と変わらない事象となっている。
これでは磁気モーメントが平行である左図の条件で事象を100%説明できるとしても、右図では例えば60%しか説明ができないとする。

ここで相補性を考慮する。

残りの40%を説明するため謎のX力(エックスりょく)を仮定し、
磁気モーメントが平行でないときX力が事象を補っていると考えるのである。

つまり

電子スピン=磁気モーメント × X力(エックスりょく)

という相補性を仮定して事象を説明するというものである。

であるとすれば、異なる不均一磁場へ遷移するときに電子が受け取る変数がそのままX力(エックスりょく)に対応しているという事になるのだろうか。