フェルマーの最終定理が難しい理由

バージョンSの補足として説明します。

だいぶ長くフェルマーの命題に取り組んできました。しかし、

それに費やした時間の大部分は掠り傷すらつける事もできませんでした。

それが何故なのか分からず漠然とした思いがずっとありました。

case.1におけるP=5について計算していたとき、一つ理解できた事がありました。それは

式の全てが前提(仮定)に当てはまるとき、その前提では評価(証明)することはできない。

具体的にcase.1 P=5は以下の式が示せます。

(x+y-z)^5=5(x+y)(z-y)(z-x)(x^2+y^2+z^2+xy-xz-yz)

幸いx^2+y^2+z^2の部分が前提に該当しなかったため矛盾を評価する事ができました。

もし p|x^2+y^2+z^2 という前提があると評価できません。

要するに式の全てが前提通りになってしまうのなら、何も評価できないということです。

 

それを踏まえてバージョンRの時点でcase.1が仮に証明できていたとします。ところが

case.2においてP=3 、つまりx+y-z=3^n abcの条件だけ矛盾を評価できず残ります。

3|xのときの前提は

・x^3+y^3-z^3=0

・(z-y)=3^(3n-1)a^3

・(z-x)=b^3

・(x+y)=c^3

ここで(x+y-z)^3を展開すると

(x+y-z)^3=3(x+y)(z-y)(z-x)+x^3+y^3-z^3

前提を代入すると

(x+y-z)^3=3^(3n)a^3b^3c^3

x+y-z=3^n abcを3乗すると

(x+y-z)^3=3^(3n)a^3b^3c^3

よって式の全てが前提通りとなってしまい

「その方法では100%証明することは出来ない。」

とフェルマーに告げられたかのようでした。

 

フェルマーの最終定理が難しいのは矛盾を評価すること自体難しいと言うことにあります。

まだ証明の「しょ」の字も知らない頃に証明の仕方について考察してみたことがあったのですが数の性質を当てはめて矛盾や整合性を示すものだと結論しました。

ところでフェルマーの命題の本体は何かと問われれば

・x^p+y^p=z^p

・pを法とする考え

・x+y-z

などが挙げられます。

これらについて数の性質を当てはめてきたのですが、得られる結果は恒等式と酷似しており僅かな矛盾すら評価できませんでした。剣で切り付けても、炎や弓で攻撃してもゴーストのように手ごたえがない感じです。この経験はフェルマーに長く取り組んできた人なら共感してくれるかと思います。

そのような中で、今までに少しでも進展があった条件について考えていたところ、ヒントが思い浮かびました。それは命題本体への攻撃が有効でないためにハリーポッターに登場する分霊箱のようなものと位置付けています。

フェルマーの分霊箱は以下のように考えました。

1.x^p+y^p=z^pを部分とする分霊箱

(x+y-z)^p

2.pを法とする考えを部分とする分霊箱

θ

3.x+y-zを部分とする分霊箱

x±y±z

バージョンSではこのような分霊箱を破壊する試みをしている訳です。