2年半ほど前、特殊相対性原理に関する本質的な疑問を後回しにしておりましたがアイデアが固まってきたので考察を示します。
仮に地球の座標をA系、宇宙ステーションをB系とおきます。B系はA系中を等速で進んでいる条件とします。この宇宙ステーションの中間点から光が前後に進むとき特殊相対性原理を実現させる仕組みとはどのようなものか?という問題です。
まずA系の座標は徐々にB系の座標へと遷移していくと仮定できます。ここで加速とは回転運動であると仮定した(参照:加速度運動とは何か)のでA系の座標は縦波のような描像になると考えていました。ところがこの縦波は宇宙ステーションに対して遅くなる事があっても後退していく座標の速度を必ず有します(下図残照)。それでは非等方な座標であるため光源から出た光は宇宙船内の端部へ同時に到着しなくなってしまい特殊相対性原理を実現できません。
そのため以前、ローレンツ変換の時空図でブーストと筆者が解釈していたものを再考察することにしました(時空図の時刻の遅れは、逆算をすると加速時の時間の遅れを示していると解釈していた)。以下の図の赤いメモリの読み取りが該当しますが、意味合いは同時刻の相対性と変わりません。
【同時刻の相対性の説明】
B系の中間点から対方向に光を出します。この光はA系上で速度Cで進みますので図向かって右方向へ等速運動をするB系の端部へは同時に到着しないように見えます(後端部に先に到着して見えます)。しかしB系上の観測者は速度Cで進んだ光が両端部へ同時に到着するように見えます。これらを両立するための解釈としてB系前後で時刻が異なっていると考えます。(※時間の遅れは等しく、B系前方ほど時刻が遅れています。)
しかし実際に宇宙ステーションが前後で時刻が異なっていると直感的に受け入れ難いものがあり、また同時刻の相対性を一粒子系に対応させる(上図を一粒子系とみなす)と多粒子系で辻褄が合いません。
もちろん直感だけでは根拠が頼りないので宇宙ステーションを長くしていき、ダイソン球のようにします。すると宇宙船の前後がなくなるため、(多粒子系における)同時刻の相対性は不適当な解釈と結論付けられます。
同時刻の相対性も非等方な座標に問題があるようなので、B系が等方的座標になるような見当をします。
なぜなら等方的な座標であれば宇宙ステーション中間部から出た光は両端部へ同時に到着するためです。
![](https://shitetsuronnkoublog.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/11/rt2-4.gif?w=300&h=188)
- ブースト変換
A系の座標を玉モデルとして考察します。
t.1、t.2:宇宙ステーションがA系に対して相対速度が0の状態を初期条件として加速していきます。
t.3、t.4、t.5:A系の座標を起源とする慣性力が生じますが加速の外力によってB系の速度は保持されます。
t.6:外力により一定時間を経たA.1の位相は反転します。このタイミングで加速を止め外力を無くします。
t.7:このときA.1は新たに右から進んできたA.2と相互作用します。
t.8、t.9、t.10:A.1はA.2に対して先の外力と同様の作用をしA.2の位相を反転させてB系から左方向へ移動していきます、A.2は新たに進んできたA.3と相互作用します。
この連鎖を繰り返すことによりB系はA系中を無重力で進む事は説明出来そうですが座標の位相はやはり非対称です。
特殊相対性原理を実現するためには宇宙ステーションの重力が大きくA系座標を退けならないと考えられます。