電子は内側の軌道へ励起する?9

このテーマでの考察はゴチャってきた感があるのでコンパクトに再考し直そうと思います。

当初の疑問はマクロ系とミクロ系はどのように区別できるのであろうか?である。
小さい物理的事象を抽象的にミクロ系と位置づけているのか、明確に区別できるものなのか?

結論から言えばマクロ系とミクロ系の物理法則は相容れないとされているので後者であると考え話を進める。

それでマクロ系はミクロ系を構成単位として区別をするのである。
つまりマクロ系の構成単位の何かを0(または1)と位置づける。
繰り込みによりマクロ系で運動エネルギー0であってもミクロ系では運動エネルギーを有する(上図右)と考えることができる。
それをある種の位置エネルギーとするならば、どのような事が考えられるだろうか。
過去の記事では原子核を周回する電子のイメージに囚われていたために混沌としてしまった感があるので忘れる。

本記事では位置エネルギーを2つに大別してみよう。
一つは万有引力やクーロン力といった極座標としての位置エネルギー。もう一つは無向性の位置エネルギーである。

無向性の位置エネルギーの概念について仮定したものを説明する。
マクロ系ならば加速運動が大きいほど位置エネルギーが大きい(不安定)状態で、等速直線運動つまり停止が最もエネルギーが小さく0の(安定)状態である。
一方ミクロ系では加速度運動は常態化の系(量子ゆらぎ)であるため、量子ゆらぎより突飛な(量子ゆらぎに逆らうような外力を加えた)状態を位置エネルギーが大きいと考える。

そのため無向性の位置エネルギーは粒子の位置の軌道半径または領域を0に近づけるようとするほど大きな外力が必要になるだろうと仮定できる。不確定性原理を適用したいところだが概念から少々外れているようだ。

観測者効果(下左図)では観測手段より観測対象の運動エネルギーが大きいほど場の擾乱の影響が受けにくいというものであり、どちらかの運動エネルギーは固定した考察である。
観察者効果を考慮しない不確定性原理の考察 では補足となるが場の粒子(下右図緑丸)なるものがランダムに運動しているものをイメージし、一つだけオレンジに着色したとする。オレンジ粒子がおよそ定常な軌道であるならば、場の粒子の運動は系全体で等方的であり場の粒子は座標としての役割は大きくなり、非等方的なら運動エネルギーを齎す役割が大きくなる。この役割は100:0のように偏らないというものだろう。

よって不確定性原理というよりかは角運動量保存の法則的な考察に近い。

極座標としての位置エネルギーを考察すると粒子の運動エネルギーが小さくなると中心の方へ落ちてゆく。
ここに無向性の位置エネルギーを考慮すると粒子の位置の不確定性(軌道半径)を0に近づけるようとすると外力が必要となるため2つの位置エネルギーが釣り合うところで安定すると考えられる。

このために軌道半径が小さくなることをオレンジ粒子君が知っている必要がある。
これについてはミクロ系の運動はテンソルで記述されると仮定すると説明できそうである。
つまり、位置エネルギーが大きくなるとき(n+1)次の運動はn次の運動に基づいて形成されることで角運動量の成分(外力の情報)が保存されているという具合。

電子は内側の軌道へ励起する?3

力学的エネルギーの観点から、「位置エネルギーと運動エネルギーが換算可能ならば0という基準は同じであるべき」という仮定を以前にしたことがあります。しかし考えを上手く進めることができませんでした。それはおそらく位置エネルギー0という状態について誤った解釈をしていたためです。

この時は地球の重力について物体が落ちるところまで落ちたところが位置エネルギー0と仮定しました。しかし無重力空間を遊泳する物体を運動エネルギー0と仮定すると、天体に近づくと重力によって落下するので運動エネルギーと位置エネルギーが共に0となる状態にはならず矛盾してしまいます。

問題の解消は単純で、対称な位置エネルギーが相殺される条件を0とおきます。こうすれば慣性系を位置エネルギーと運動エネルギーが共に0の状態と位置づける事ができます。

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もう一つ位置エネルギーについて具体化をしておこうと思います。

例えばバネを挙げます。弛緩した状態に対し、引き伸ばした状態は位置エネルギーが大きいとされます。バネが一つなので着目される位置エネルギーも決まります。

ではバネAとバネBが対称的で釣り合っている状態はどうでしょうか?この状態でバネAが弛緩したならばバネBの位置エネルギーに着目されますが、バネBが弛緩したならばバネAの位置エネルギーが着目されます。

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ここで電子の励起を考えますと位置エネルギーはクーロンポテンシャルと(便宜的に)遠心ポテンシャルのどちらかが対応するのかについて、電子のアクションが分からないと何とも判断つかないという事になります。

電子は内側の軌道へ励起する?2

本タイトルの記事がグダグダしている理由は中心となる疑問がなく、複数の小さな疑問を発端としているからです。そんな一つを今回書きます。

運動エネルギーは何となく捉えどころがあるのですが、「位置エネルギーって何だろう?」という素朴な疑問があるのです。

アインシュタインが導出して有名な式「E=MC^2」は、質量とエネルギーが等価であると説明されるものです。

この式は例えばオニギリが全てエネルギーに変換でき、(現実的な問題を無視すれば)エネルギーはオニギリに変換する事もできると示しています。そしてオニギリには実体があります。素粒子論、見方次第ではこれも物理現象を全て実体として捉えようとするものです。

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イー・イコール・オニギリ・シージジョウ

つまり位置エネルギーもオニギリのような実体に変換可能という事です。それを考察するためにまず実体とは何かを定義する必要があります。ここでは実体を質量とするのが妥当でしょう。では質量とは何だろうか。物質から対称に広がる重力を想像したものが質量というイメージですが、重力だけ対象にすれば対称でなくても良い気がします。

力学的エネルギーについて考えます。力学的エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーが相互変換可能である事を示していると言えます。そこで位置エネルギーを運動エネルギーのように捉えることでその実体が見えてくるのではないか考えてみます。

そもそも位置エネルギーの実体が分かりづらいのは漠然と高さ=(イコール)位置エネルギーであると対応させてしまうからなのかもしれません。ボールを上空へ放り投げると運動エネルギーが位置エネルギーへ変換されるので徐々に速度が遅くなっていきます。ボールは放物線の頂点で位置エネルギーを有していますが、もしその時点で重力がなくなったら地上へ落ちてこなくなります。つまり高さを位置エネルギーに対応させるのは本質的でないと考えられます。

そこで「リンゴが重力によってテーブルに押し付けられるのは、重力君に下方向へ蹴られているかだ」と仮定します。リンゴが落ちるとき重力君からリンゴは運動エネルギーを得たことになるので、その分重力君のエネルギーは小さくなると考えるのです。こうすると位置エネルギーを運動エネルギーのように扱えそうです。

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電子は内側の軌道へ励起する?1

以前、このタイトル記事を書き始めたときは取り分け思考が固まらない状態であったためか締まりのない記事になってしまった。そのような記事はブログから引っ張ってくる事にしました。少し疑問が固まってきたので書いてみようと思います。

まずマクロの場とミクロの場の関係から考えます。

一つの候補としてマクロの場が徐々に細分化されたものがミクロの場に対応しているとします。つまりマクロとミクロの場は連続的な関係であるので明確な区別はできません。またこのような描像は底を共有できます。「底」ってなんだって思うかもしれませんがまだ具体的でないので臨時にそう呼んでおきます。

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二つ目の候補としてミクロの場とはマクロの場の高い次元に存在していると考えます。高い次元であるという事はマクロの場の基底がミクロの場が対応しているという関係になります。おそらくこちらが正しいと仮定して考察を進めます。

それでマクロの底とは何かと考えた場合、慣性系がそれに対応するだろうと推測できます。なぜならマクロの場においてエネルギーが平衡状態であってもミクロの次元はそこに存在していると考えられるからです。

dennuti1-2例えば身近にあるアルミや銅などの導体が巨視的に何もイベントが起こっていないようでも微視的には自由電子が忙しなく動いています。これは自由電子の運動のトータル値が0であるためと考えます。

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