非線形とは

記事が滞っているので非線形について改めて考えてみます。正確な定義とは異なるかもしれません。

投稿したコラッツ論文のintroductionに、この問題は非線形な部分があり証明が困難であると記述しました。

ループに関しては論理的な説明により非線形な部分を回避できたような気がします。

【コラッツ問題とは】

「任意の自然数を初期値として奇数ならば3を掛けて1を加え、偶数ならば2で割る。この試行により必ず1に到達する。」というものである。この演算は非線形であると考えられる。


1から100までの和は少年期のガウスの計算法が有名であり

1  +2  +3+…+98 +99 +100

+ )100 +99 +98+…  +3    +2   +1

101+101+101+…+101+101+101

101が100項あるため、1から100までの和は (101×100)/2=5050

よって1からnまでの和の一般解は (n(n+1))/2であり、これは線形である。


では線形と非線形の違いとは何かと言えば、函数において入出力間に演算順序の制限という概念が存在するか否かという事である。(物理的にはエントロピー等の時間に関係していると予想しています。)

上記(n(n+1))/2はnを入力すれば、1からnまでの和が出力されるが演算のステップとしては一回で終了する。一方、コラッツ問題の演算ではステップを複数回を要する。このような非線形およびフラクタルを形成する背景には演算順序の制限とその反復計算が第五の演算子となっているためである。

【非線形をつくる第五の演算子とは】

具体的には四則演算子に加減乗除(+-×÷)があるが、加減と乗除の混合式では演算の順序に制限が伴う。これにより前の演算ステップを基底として次の演算を重ねるものである。ただし全くの不規則な演算では非線形の概念は不明瞭であるため何らかの規則的な演算を行う。

(※非線形演算であっても線形に帰着されるものがないとは限らない。)


身近な例としてはルービックキューブが挙げられる。

各面の色が揃っている状態からシャッフルを行う。ビデオを逆再生するように逆シャッフルを行えば当然、色が揃った状態に戻すことができる。しかし逆シャッフルの順序を変えてしまうと元の状態には原則戻ることはない。

これが非線形の演算が困難な理由である。(線形演算ができないので困難)

コラッツ問題は、さらに条件関数「~ならば」が伴うため数学者ポール・エルデシュが「数学はまだこの種の問題に対する用意ができていない」と述べた理由が分かる。

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